今回は複素関数の世界に三角関数を定義します。\(sin i\)や\(cos i\)などの、実数関数では考えられないような計算ができるようになります。しっかりと覚えましょう!
これが複素関数での三角関数だ!
先に結論を書いちゃうんですけど、複素関数での三角関数はこうなります。
$$sinz=\frac{e^{iz}-e^{-iz}}{2i}$$
$$tanz=\frac{e^{iz}-e^{-iz}}{i(e^{iz}+e^{-iz})}$$
今回の目標は、
これらの公式を覚えて、使えるようにする
ことです。では、どうしてこうなるのかみていきましょう!!
まずは指数関数を利用しよう
いざ\(sinx\)に複素数を代入するっていっても、全くイメージわかないですよね。
今までは0〜2πまでの数しか入れてきませんでした。
ではどうしたらいいかというと、そういえば三角関数と複素数を結びつける重要なオイラーの公式がありました。
$$e^{i\theta}=cos{\theta}+isin{\theta}$$
この式わかんないよ!って人は、超重要公式なので先に以下の記事により確認ください。
記事をはる
導出
オイラーの公式に、\(\theta=z\), \(\theta=-z\)をそれぞれ代入した式を作ります。
$$e^{iz}=cos{z}+isin{z}$$
$$e^{-iz}=cos{z}-isin{z}$$
こうなります。2式目は、\(cos{(-z)}=cos{z}, sin{(-z)}=-sin{z}\)を使いました。
上の式と下の式を足して2で割るとコサインが、上の式から下の式を引いて\(2i\)で割るとサインがでます。
よって、
$$cosz=\frac{e^{iz}+e^{-iz}}{2}$$
$$sinz=\frac{e^{iz}-e^{-iz}}{2i}$$
ここから、サイン割るコサインをすればタンジェントが出るので、
$$tanz=\frac{e^{iz}-e^{-iz}}{i(e^{iz}+e^{-iz})}$$
となり、無事導出できました。
【演習】使ってみよう!
重要なのは、この定義の式をどんどん使って慣れて覚えることです。簡単な演習問題を用意しましたので、実際に紙とペンを用意して解いてみましょう。
もし忘れてしまった場合でも、オイラーの公式から導出できることを覚えておけば2、3分で導出できますよ!
【問】以下の値を求めよ。
\((1)sini\)
\((2) cosi\)
\((3) tani\)
\((4) sin(\frac{π}{2}-i)\)