東京大学大学院の技術経営戦略学専攻を受験するつもりだけど、情報が全然わかんないよー!
こんな悩みを解決します。
記事の信頼性
記事を書いている僕は、技術経営戦略学専攻の院試を受験するぞ!と決めてから、半年で合格することができました。
開示申請したところ、
- 英語:550(換算98.09/150)
- 論理:165.0/200
- 小論文:109.5/150
- 口述:152.5/200
でした。
今回は実際に僕が合格するにあたって行った勉強法、受験情報などを公開していきます。
基本情報
そもそも東京大学大学院の技術経営戦略学専攻ってどんなことをするところなのでしょうか?
文字だけ見ると、科学技術を経営とかのビジネスに活かすのかなーって感じですが、
実際そんな感じです。
詳しくみていきましょう。
技術経営戦略学専攻って…?
公式ホームページサイトにはこんな風に書いてありました。
TMI 専攻では、技術とマネジメントを駆使して社会のレジリエンスを高めるための教育研究を行っています。
TMIっていうのは、技術経営戦略学専攻のことです。
レジリエンスってなんだ?って感じですが、
現代社会に起こるさまざまな脅威に対する抵抗力や、脅威によるダメージからの強靭な回復力を有し、持続できる能力と書いてありました。
以上をまとめて簡単にいうと、
科学技術とマネジメント能力を使って、社会に対する問題を解決するためにリーダーシップを取れる人材を育む場所
ということになります。
僕が技術経営戦略学専攻に行きたいなぁと思った理由ですが、
- 数学、プログラミング、AIなどの科学技術が好き
- 自分の能力をビジネスに生かし、個人で稼ぐ力を身につけたい
- 自分の能力を社会に還元したい
このような考えがあったんで、公式サイトの専攻紹介を読んで、いい感じだなぁ〜って思っていました。
研究室について調べていたら、AI分野で超有名な松尾豊教授の名前を発見しました。
実はこの時人工知能に興味を持ちだした頃で、松尾先生の超超超有名な本「人工知能は人間を超えるか」を丁度読んでいたので、これはもう行くしかないなと思って出願しました。
ちなみにですが、人工知能は人間を超えるかについては下の記事でレビューしているので、よかったら見てくださいー!
こう紹介すると、「文系の力も理系の力も超高水準で求められるの…」と思うかもしれませんね。
ですが、これから紹介するようにTMI(技術経営戦略学専攻、以下 TMIと書きます)は試験科目が英語、数学、国語の三科目なためとても受けやすく、学歴ロンダリングのために外部から受けてくる人が多い専攻です。
試験受けてきた時の顔ぶれも、ガチガチの意識高い系的な人がめちゃくちゃ多いって感じでもなかったので、そこまで気後れしないで大丈夫だと思います。
また、TMIは「就活予備校」などとも呼ばれており、就職にはめちゃくちゃ強いと聞きます。
文系のマネジメント能力、理系の技術力があれば、ビジネスでは強そうですよね。
以上がTMIこと技術経営戦略学専攻のざっくりとした紹介です!
受験基本情報
だいたいどんな専攻なのかイメージがついたところで、受験モードに突入です。
技術経営戦略学専攻の定員は、21人で、毎年35人くらいが合格しています。
大学院の入試は結構定員超えるんで、30人くらいが受かるイメージでいいと思います。
さて倍率ですが、最近かなり倍率が上がっており、4〜5倍程度です。
僕の受験時は、140人ほどの受験者数でした。
このうち、東大内部と他大学の比率が1:2ほどで、他大学の方が多いです。
東大で技術経営戦略学専攻についてよく耳にするのですが、
合格率は東大内部は4〜5割、外部は1割
と言われています。
ただ、外部でも点数を取れれば合格できるので、挑戦する価値はあると思います。
あと、これはあくまで友達から聞いた噂で信憑性に問題があるのですが、
説明会に行かなかった友達が全員落ちた
と聞きました。(確かに、説明会行った時に名前とか学部とか書かされた…)
果たして説明会の参加で足切りをしているかは不明ですが、5、6月あたりに二回ある説明会のうちのどちらかには参加するべきでしょう。
他県から参加する人の場合は、参加が厳しくても一度研究室見学に参加するくらいはしておくのがいいと思います。
受験日に関しては、他の大学院と同じで8月の終わり頃に2日に分けて行われます。
1日目が筆記で、TOEFL(配点150)、論理的思考能力を見るための数理的問題(配点200)、小論文(配点150)からなります。
2日目が口述試験(配点200)で、筆記を通過した人のみ受けることができます。
以上が基本的な受験情報です。
試験対策
前述のように、技術経営戦略学専攻の入試には4科目あります。
- TOEFL
- 論理的思考能力を見るための数理的問題
- 小論文
- 口述試験
それぞれについて対策法を書きます。
合格点に関して
合格点のボーダーに関しては正確にはよくわかりませんが、
開示申請したところ、
- 英語:550(換算98.09/150)
- 論理:165.0/200
- 小論文:109.5/150
- 口述:152.5/200
でした。
結構言われているのが、「英語550、数学8割、小論7割、口述7割あればまあ受かる」です。
確定的なことはいえませんが、参考にしてください。
TOEFL
TOEFL ITPを選択した場合は1日目の朝9時からやらされます。
眠いのに、最初っから集中力必須のリスニング。
その後、文法問題、読解と進みます。
技術経営戦略学専攻ではTOEFL iBT、TOEFL ITPのどちらを受けるか選択できるのですが、帰国子女とかでない限り、TOEFL ITPを選択することをお勧めします。
これについては下記記事をご覧ください。
TOEFL ITPの対策ですが、以下の記事を参考にしてください。
だいたい550点取れればいいので、ここを目指して頑張りましょう。
僕から言える、TOEFL注意ポイントを並べます。
- リスニングが一回しか読まれない上に早い。
- 長文の時間がない。1つ11分で解かないといけないのに小問10問ある
- 専門的な単語が出るので、単語対策必須
あとは上記サイトのように勉強すれば及第点はとれるはずです!
論理的思考能力を見るための数理的問題
論理的思考能力を見るための数理的問題は、簡単に言えば数学です。
2種類の問題が出題されて、それぞれ選択制です。
- 6問出題されるの高校数学レベルの問題、もしくはパズルのような問題の中から4問選択
- 東大大学院工学系研究科の共通テストである数学のテストの6問の中から2問選択
合計6題です。
まずは上の、高校数学+パズルの解説です。
高校レベルの数学の問題?パズル?どんな問題が出るんだ???ってなりますが、過去問が何年分も公式サイトにあるのでゲットできます。
パズル系の問題ですと、例えばこんな問題です。
ある暗号で「system」が「022, 002, 022, 021, 211, 112」,「utokyo」が「020, 021, 110, 121, 002, 110」であるとき, 「202, 120, 221, 120, 012, 011」で表される文字列を理由とともに示せ。
2019年度の問題です。
高校数学とかですとこんな問題です。
ある円 A に外接する正 12 角形の面積は別の円 B に内接する正 24 角形の面積の 4 倍であっ た。円 A の面積が円 B の面積の何倍か求めよ。ただし, √2 = 1.414 および √3 = 1.732を使 って有効数字 3 桁で答えよ。
正直、難易度はそこまで高くはないです。
こちらの対策としては、高校数学をしっかりと勉強しましょう。
僕のオススメは、Focus Goldです。
これを星3くらいまでできるようになればオッケーでしょう。文系の方で数学3をやっていない人はこの機会に勉強しましょう。
また、高校数学は次の大学数学の対策をする上でも勉強しなければならないので、あまり得意でない人はしっかりと復習しましょう。
次は工学系研究科用の数学ですが、ちょっと難し目です。
対策すればまあ解けるくらいですが、東大生でも完答できない問題もあり、対策必須です。
こちらの勉強に力を入れたいので、高校数学は急いで終わらせましょう。
工学系研究科の数学対策は別記事でまとめました。
軽くかくと、マセマシリーズ、サイエンス社の大学院試演習、過去問をやっておけば十分です。
ボーダーは7、8割程な感覚です。
小論文
小論文と書いてありますが、国語です。
僕が受けた時は大問が2題あり、それぞれの問題は、
- 50字いないでまとめろ、120字以内で記せ的な問題2〜3問
- 自分の意見を300字程度で述べる問題一問
がありました。
点差もあまりつかないらしいので、ここに時間をかけるよりは数学をやりましょう。僕はノー勉(過去問はちょっと見た)で行きました。
実は結構めんどくさいのが、過去問の入手方法です。公式サイトからダウンロードできないです。
東大の所定の事務室に直接取りに行く、もしくは住所をメールで送って郵送してもらう必要があります。
めんどくさいですが貰えるもんは貰っときましょう。
口述試験
なめてはいけない口述試験です。かなりのウエイトですので、全力で対策しましょう。
工学部三号館でやりました。
別室で指定時刻(面接時間の30〜1時間ほど前)に控室に入り、順番に呼ばれます。
教室の広さはそこまで広くはなく、ロの字型に並べられたテーブルに、コの字型に10人ほどの教授陣が座り、受験者一人とお話しします。
汚い絵ですがこんな感じでした笑
一番大事な聞かれた質問ですが、こんな感じでした。
あなたの名前と所属を教えてください。
受験番号〜番、東京大学〜学科所属の〜です。よろしくお願いします。
技術経営戦略学専攻への志望理由をお聞かせください。
私が技術経営戦略学専攻を志望する理由は大きく二つあります。
一つ目は、プログラミング、特にディープラーニングに興味を持ち、実践的なスキルを身に付けたいと思ったからです。
Pythonの勉強を三年生の中頃から始め、プログラミングコンテストなどを通じてをプログラミングを勉強していく中で、とても楽しいと感じました。今年の四月頃に人工知能に興味を持ったのですが、正直人工知能のイメージが全然つかめておらず、どんなものなのだろうと思って、〜先生の本を読ませていただきました。そこで人工知能の世界にとても魅力を感じ、ディープラーニングを学び始めました。
顔認証プログラム、数字判定プログラムなど実際に作成してみたのですが、仕事として実際に使えるレベルのスキルを身に付けたく思い、ディープラーニングを学べる研究室を探していたところ、〜研究室を見つけました。
僕の人工知能を学ぶきっかけになった本の著者と知ってとても驚き、この研究室に行きたいと決めました。
2つ目は、自分で事業を行うスキルを身に付けたいと思ったからです。
最近、就職ではなく、自分でコンテンツを作ったりサービスを提供したりして働きたいという気持ちをとても強く感じております。自分の頭の中にあるアイデアを実際にサービスとして世の中に提供することが、とても魅力的だと感じました。
きっかけとなったのは、4月に個人で電子書籍を販売したのですが、自分の作ったコンテンツが世の中に出て、それで収益をあげられたことに感激したことです。現在では、ブログ、電子書籍、そしてマジシャン活動によって、自分のスキルによって社会に価値を提供して収益を得ると言うことを積極的に行っております。
技術経営戦略学専攻は、個人でビジネスを行うために必要なスキルをつけられる環境だと感じ、とても自分が勉強したい方面に合っていると思いました。
以上二点が技術経営戦略学専攻を志望する理由になります。
この専攻でどんなことを勉強したり、研究したり、やってみたいですか。
先ほどと少々重複してしまうのですが、まず一番したいことはプログラミングの実践的なスキルを身につけたいということです。また、自ら企画し、サービスをできるレベルのエンジニアになりたいため、マネジメントのスキルも身につけたいと思っております。具体的なサービスにつきましては、〜〜〜ということがしたいと考えております。
ここまでの質問が共通っぽいです。ここまで一人の教授と話し、この後他の教授から質問を受けます。
今物理をやってるということですが、どのようなことをやっているんですか?
今は卒論ではこれこれこういうことをやっており、〜〜〜…を研究しています。
情報理工学系と併願はしていますか?
併願はしておりますが、両方合格した場合にはこちらに進もうと決めております。(嘘ではなく本音です)
ここまででざっと7〜10分くらいだったと思います。
確実に言えるのは、事前にいうことを詰まらずに言えるように練習しておくべきでしょう。
これやらないと、安心感が違うと思います。
また、8割以上の人がスーツでした。スーツで行くのが無難でしょう。
まとめ
大事なことを最後にまとめます。
- 説明会に行く
- TOEFL ITPで550点くらいとる
- 数学で7〜8割とる
- 口述試験の対策をしっかりとする
技術経営戦略は色々できそうで面白い場所だと思います!ぜひ参考にしてください〜