東京大学大学院の物理工学専攻の院試を受験するつもりだけど、院試情報が全然わかんないよー!
こんな悩みを解決します。
基本情報
そもそも東京大学大学院の物理工学専攻ってどんなことをするところなのでしょうか?
名前を聞いただけだと、物理とか数学とかを勉強して、工学に活かす研究科なのかな?って感じですよね。
詳しくみていきましょう。
物理工学専攻って…?
公式ホームページサイトにはこんな風に書いてありました。
私たちが追い求めているのは、流行りの技術や5年後に色褪せてしまう発見ではありません。深遠な物理から立ち上がってくるたくさんの可能性の種が、物理工学の世界には眠っています。物理工学科は、世界になかった新しい物理を生み出す現場なのです。
物理工学科は今現在ある物理を勉強するのは前提として、それを元にして全く新しい、現実世界に役に立つような新しい物理の理論、実験を行っています。
以上をまとめて簡単にいうと、
誰も発見しなかった新しい物理を研究して、革新的な価値を創造する研究科
ということになります。
以上が物理工学専攻のざっくりとした紹介です!
受験基本情報
だいたいどんな専攻なのかイメージがついたところで、受験モードに突入です。
物理工学専攻の定員は、42人で、毎年60人くらいが合格しています。
大学院の入試は結構定員超えるんで、60人くらいが受かるイメージでいいと思います。
さて重要な倍率ですが、内部と外部合わせて2.5倍程度です。
内部と外部の比率につきましては、受験者は1:1、合格者は5:1程度です。外部の人は結構厳しそうですね…
詳しい入試情報につきましては、説明会が毎年開催されるので、雰囲気を掴みに足を運びましょう。
受験日に関しては、8月の下旬に集中して行われます。
科目につきましては、後で詳しくお話ししますが、
- 英語(TOEFL)
- 数学(工学系共通)
- 物理学
- 口述試験(面接形式ではなく、研究内容の発表などです)
以上が基本的な受験情報です。
試験対策
前述のように、物理工学専攻の入試には4科目あります。
- TOEFL
- 数学
- 物理学
- 口述試験
それぞれについて対策法を書きます。
TOEFL
TOEFL ITPを選択した場合は1日目の朝9時からやらされます。
眠いのに、最初っから集中力必須のリスニング。
その後、文法問題、読解と進みます。
物理工学専攻ではTOEFL iBT、TOEFL ITPのどちらを受けるか選択できるのですが、帰国子女とかでない限り、TOEFL ITPを選択することをお勧めします。
これについては下記記事をご覧ください。
TOEFL ITPの対策ですが、これについてはこちらのサイトで勉強しました。
だいたい550点取れればいいので、ここを目指して頑張りましょう。
別のサイトで、550点までの道のりが書かれたのを載せておきます!
僕から言える、TOEFL注意ポイントを並べます。
- リスニングが一回しか読まれない上に早い。
- 長文の時間がない。1つ11分で解かないといけないのに小問10問ある
- 専門的な単語が出るので、単語対策必須
あとは上記サイトのように勉強すれば及第点はとれるはずです!
数学(工学系研究科共通)
工学部研究科で共通の数学の問題を3問選択で課されます。
工学系の数学につきましては、こちらの記事でまとめましたので、ご参考にしてください。
物理学
一番ウエイトがでかいのが物理学です。ここを落とすのは本当に痛いです。
徹底的に対策をする必要があります。まずは敵を知りましょう。
物理学といっても、色々な科目がありますが、院試で問われるのは以下の科目です。
- 古典力学
- 電磁気学
- 量子力学
- 統計力学
- 熱力学
- 光学
- 固体物理学
それぞれについて対策法を見ていきましょう。
力学
まずは力学です。個人的にオススメな、原島 鮮さんの有名な本です。
これでさらっと勉強して、演習をゴリゴリ解いていくのがいいと思います。
演習に関しては、以下の2冊の参考書がオススメです。
サイエンス社の演習本、いわゆる黄本です。問題量も多く、身につきます。
また、力学には限りませんが、以下の本は必須です。
大学院の院試の、物理学の問題集です。最終的にはここにある問題をゴリゴリ解いていきたいです。
電磁気学
お次は電磁気学です。これも超有名な参考書で、とってもわかりやすく丁寧に書かれています。
電磁気学はこれ一択ではないでしょうか。周りの人もかなり使っていました。
ぶあっついので、気合い入れて読みましょう笑
もしボリュームに圧倒されそうで、最初はさらっとやりたい!って人は、マセマシリーズを使いましょう。圧倒的わかりやすさです。
演習に関しては、力学と同じで黄本、大学院の演習を使いましょう。
量子力学
量子力学は高校物理とは全然違った分野ですよね。
僕は最初に参考書で勉強したら、頭が混乱しました。
こちらの本で、大まかなイメージをつけてから読みましょう。
この本はマジでおすすめです。僕は4年生になって初めて読んだのですが、今まであやふやだった不確定性原理だとかの知識が理解できました。ベストセラーになっているのもよくわかります。
読んでてめちゃくちゃ楽しいです。
読み終わったらこちらの参考書で勉強しましょう。
小出昭一郎さんの初心者向けの量子力学の参考書です。
これを読み終わったら、二冊目にこちらで勉強しましょう。
ブラケットから始まるのですが、かなり明快にわかります。
根本から量子力学について理解できるので、力がつきます。
演習に関しては、こちらでやりましょう。
統計力学
統計力学は、これ一択だと思います。
田崎さんの本です。めっちゃくちゃわかりやすく、読んでて楽しいです。
そこまでガッチガチの難しい文体ではないので、普通に読み進められると思います。
演習はこちらでしっかりとやりましょう。
熱力学
熱力学も、田崎さんの本がおすすめです。わかりやすさが半端ない。
演習は、統計熱力学と同じサイエンス社の本を使います。
光学
光学はこちらが人気です。
また、東大の教授がノートを公開しています。とてもわかりやすく詳しく書かれているので、こちらでも勉強しましょう。
演習に関しては、大学院の物理学を解いていきます。
固体物理学
キッテルの本と共に有名な、アシュクロフトマーミンの固体物理です。
ボリュームありますが、かなりの実力がつきます。
口述試験
なめてはいけない口述試験です。全力で対策しましょう。
公式の入試案内書にはこう書かれています。
受験者は現在行っている卒業研究又はそれに準じたもの (それらを行っていないものについては,大学院入学後 研究したい分野とその内容)について発表すること。
自分の卒論の内容などを7分で発表し、13分質疑応答があります。
黒板、スクリーンなどを使って、研究内容などをスライドで説明する形になります。しっかり理解して、話せるようにしておきましょう。
口述試験は、筆記合格者のみに課されるようになりました。
ただ、内部生は配属先の先輩が鍛えてくれるということもあり、外部生は結構不利です。
どんな問題が来ても答えられるように、万全の状態で臨みましょう。
まとめ
大事なことを最後にまとめます。
- TOEFLはITPがおすすめ
- 物理のウエイトがかなり高い
- 口述試験は対策していかないと死にます
難しい科目が多いですが、根本を理解して頑張りましょう!